(07/06/14)
PEファンド、企業の効率化に貢献
=ショックにもろさ増す可能性―ECB=
 【フランクフルト14日時事】プライベート・エクイティー(PE)ファンドはリスクもあるが企業の効率性向上に貢献―。欧州中央銀行(ECB)は14日公表した6月月報で、日本でもコーポレートガバナンス(企業統治)において存在感を増している同ファンドについて、一定の評価を示した。

 月報によると、2006年に欧州でPEが集めた資金量は900億ユーロと、05年比で25%増、04年からは3倍増となった。銀行債務を除く投資のうち、06年は約8割が企業買収向けに回ったとみられている。04年には買収向けは4割ほどだった。

 資金の出し手としては、年金ファンドが一番有力で、PEが集めた資金量の22%を占め、「ファンド・オブ・ファンド」(複数のファンドに分散投資するファンド)、そして銀行がこれに次いだ。

 PEの活動活発化の背景について月報では、金融技術の革新を指摘。債権の仕組みの柔軟性がさまざまな投資家の好みや戦略、望ましいリスク資産の水準にあわせて増していると分析。

 また月報は、良好な金融環境や低金利による借り入れのし易さや投資家のリスク許容の高まりなども背景に数えた。このほか企業収益の安定した増加や、買収企業を投資家への売却や新規株式公開(IPO)などで利益を確定する「出口戦略」が幅広くなったことも追い風という。

 ファンドは日本では「ハゲタカ」、ドイツでも「イナゴ」と称されるように、企業を買収してリストラを迫り、雇用削減につながるとのイメージが強い。

 しかしECB月報では、「PEはより成熟した産業において大幅なリストラを実現することで、ユーロ圏の企業統治に影響を与えてきた」とし、リストラのみならず、米国や英国、オランダの例では新製品開発や企業内起業の増加を導いていると言明。一部リポートによれば、欧州連合(EU)内でPE買収企業における雇用の純増は1997―04年で年率平均2.4%と、EU15カ国平均の1.2%を上回ったと指摘した。

 その上で月報は、「PEファンドの活動で企業の効率性が改善し、長期的な成長も増す可能性がある」と評価。ただし、PEが非金融機関向け部門の借り入れに影響を及ぼし、ネガティブなショックに対するもろさを増している可能性があるとも懸念し、より不利な環境下でのパフォーマンスが試されようと結論付けた。(了)

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