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 401kでは、年金資産の運用に対して個々の加入者が自己責任を求められます。ただし、加入者に自己責任を求める以上、その大前提として企業や401k業務に携わる金融機関などには、必要な情報を加入者に提供することが義務付けられています。確定拠出年金法には、「事業主は、(中略)加入者等のために忠実にその業務を遂行しなければならない」(第43条)など、企業や金融機関などには「忠実義務」と呼ばれる規定が盛り込まれています。「401kは自己責任の年金だから、個々の加入者が勝手にやりなさい」というものではありません。今回は、自己責任と表裏一体の関係にある企業や金融機関の情報提供など加入者保護のためのルールについて説明します。

◇提示される商品のチェックも必要

 加入者の自己責任が求められるのは、年金資産の「運用」についてです。値上がり益追求型の投資信託や元本が安全な預貯金などに、資産をどう配分するかで、将来の年金原資は大きく変化することは既に紹介しました。運用にあたっては、運営管理機関から「3つ以上の商品」が提示されることになっていますが、その際、どのような商品が選択肢になるのかは非常に重要な問題です。制度案によると、運営管理機関は提示した商品の「利益の見込みや損失の可能性」など、加入者が運用方法を指示するために必要な情報を提供することが義務付けられています。また、企業型401kの場合、事業主に対しても、特定の運営管理機関を選択する理由が問われることになりそうです。「わが社は○×銀行のグループ企業だから、401kの商品は全部○×銀行グループのものにしました」というのでは、その商品の運用が他の金融機関の商品に比べて著しく劣った場合、責任を問われることは確実です。加入者の方も、そうした視点を持って、提示される金融商品を厳しくチェックする姿勢が必要でしょう。

 一方、直接401kとは関係しませんが、金融・証券市場全体のディスクロージャー(情報開示)の問題もあります。投資信託などの形で401kの加入者は金融・証券市場に参加することになりますが、仮にある企業が経営破綻した時に情報開示が不十分だと、結果的に加入者が損失を被ることもあり得ます。日本版401k制度の導入で、これまで株式市場とは縁の薄かった方も「個人投資家」になります。企業の経営方針や情報開示には、個人としても無関心ではいられなくなります。(了)



■401Kの運用ルール
1.運営管理機関共通の行為準則


行為準則の内容 罰則 処分
(1) 法令,行政処分及び確定拠出年金規約を遵守し,加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。  
(2) 加入者等の同意がある場合を除き,その業務の遂行に必要な範囲内で個人情報を保管及び使用しなければならない。  
(3) 運営管理契約の締結に際し,次の行為をしてはならない。
・相手方に対し加入者等の損失を負担することを約すこと。
・相手方に対し加入者等に特別の利益を提供することを約すこと。
・運営管理契約締結の勧誘等に際し,運営管理業務に関する事項で相手方の判断に影響を及ぼす重要事項について故意に事実を告げず,又は不実のことを告げること。


2.運用商品の提示や情報提供等を行う運営管理機関の行為準則


行為準則の内容 罰則 処分
(1) 次の行為をしてはならない。
・運用関連業務に関し生じた加入者等の損失を補填し,又は加入者等の利益に追加するため,当該加入者又は第三者に対し,財産上の利益を提供し,又は第三者から提供させること。
・自己又は第三者の利益を図る目的で特定の運用方法を提示すること等。  
・加入者等に対し,提示した運用方法のうち,特定のものについて指図を行い又は行わないことを勧めること等。(投資顧問業者等として行うことを明示する場合を除く)  
(2) 資産運用に関する専門的な知見に基づき商品を選定しなければならない。  


■企業の行為準則と処罰等


行為準則の内容 罰則 処分
(1) 法令、行政処分及び確定拠出年金規約を遵守し,加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。(運営管理機関及び資産管理機関の選任・監督責任を含む)  
(2) 加入者等の同意がある場合を除き,その業務の遂行に必要な範囲内で個人情報を保管及び使用しなければならない。  
(3) 次の行為をしてはならない。
・自己又は第三者の利益を図る目的で運営管理業務の委託契約又は資産管理契約を締結すること等。
 
<運用商品の提示等の業務を自ら行う場合のみ>
・自己又は第三者の利益を図る目的で特定の運用方法を選定すること等。
 
(4) 加入者(従業員)等が行う運用の指図に資するため、加入者等に対し,資産の運用に関する基礎的な資料の提供等の措置を講ずるよう努めなければならない。    
(注) 「処分」とは、業務停止命令や規約の承認取消等の行政処分
「民事」とは、民事上の賠償責任
(出所) 自民党私的年金等小委員会提出資料より
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